「イギリスの料理って、美味しくないんだよね。」
日本在住のイギリス人の多くが一度は耳にするこの言葉。それをイギリス人に言うのはどうなの?と私(日本人)などは思うのですが、それはまた別の話。今回はなぜ日本で「イギリス料理=まずい」というイメージが定着したのか考えてみました。
なぜ「まずい」と言われてしまったのか?その歴史と真相
まず、あの有名な悪評はどこから生まれたのか探ってみると…
- 戦後復興期〜1970年代のイギリスの食事情
第二次世界大戦中、イギリスでは深刻な食糧不足に陥り、厳格な食糧配給制度が敷かれました。この制度は終戦後も長く尾を引き、肉やバター、砂糖などの配給手帳による制限が解除されたのは1954年になってからでした。
そのため、1950〜60年代のイギリスの一般家庭やレストランでは、長年の制限によって食材のバリエーションや調理の工夫が失われており、全体的に質素で単調なメニューが続いていました。
- 日本人の味覚や「外食文化」との大きなギャップ
1950〜70年代、海外渡航がまだ一般的ではなかった時代にイギリスを訪れた日本人は、ビジネスマンの駐在員や外交官、一部の裕福な旅行者・留学生などに限られていました。彼らが現地で直面した食文化は、カルチャーショックを伴うものでした。
素材重視でシンプルな味付け
出汁の旨味や繊細な味付け、生食文化(刺身など)に慣れ親しんだ日本人にとって、素材をただ茹でたりオーブンで焼いたりして、ソースや塩コショウでシンプルに食べるイギリスの伝統家庭料理は、「味がしない」「脂っこくて単調」と感じられがちでした。
外食産業の未発達
当時のロンドン中心部を除けば、現在のように世界各国の洗練されたレストランや多様なカフェ文化はまだ普及していませんでした。外食の選択肢が限られており、パブの料理なども現在のような「ガストロパブ」のクオリティとは異なり、非常に素朴なものでした。
- 体験談が日本国内で「定説」として定着した
こうした時代にイギリスで数年間暮らした駐在員や、現地を訪れた旅行者たちが、帰国後に日本で「イギリスの食事は美味しくなかった」「イギリスに行くと食べるものに苦労する」と体験談を語り、それが本や雑誌などのメディアを通じて広まりました。
「イギリス料理=まずい」というイメージは、単なる偏見ではなく、戦後から高度経済期にかけてのイギリスの食状況と、繊細な日本人の味覚とのミスマッチが重なって生まれた「当時の実態」を反映した側面が強かったと言えます。
しかし、その後の数十年でイギリスの食文化は劇的に変わり、現在では世界中から美食が集まるところへと変貌を遂げています。当時の印象が、今なお古いステレオタイプとして残ってしまっているのは少しもったいないことですね。
世代を問わず感動する!イギリスの絶品グルメ
実際に現地を訪れた人が「想像以上に美味しい!」と口を揃える、現代のイギリスならではのグルメとは?
- 極上の「サンデーロースト」とパブ文化
イギリスの伝統的な日曜日のごちそう「サンデーロースト」。じっくりローストされたジューシーな牛肉やラムに、外はカリッと中はモチッとした「ヨークシャープディング」、濃厚なグレイビーを合わせて食べます。また、最近のパブ(ガストロパブ)は「美味しい料理が手頃に食べられる場所」として大人気です。
- 世界各国の味が融合した「モダン・ブリティッシュ」
現在のイギリス料理界の主役は、世界各地(ヨーロッパ、アジア、中東など)のスパイスや技法を取り入れた「モダン・ブリティッシュ」。スコットランドの新鮮なサーモンやウェールズのラム肉など、地元の極上食材を使った革新的な料理の数々は、世界中の美食家を唸らせています。
- 外せない贅沢「アフタヌーンティー」とカフェ文化
優雅な三段トレーのスイーツや焼きたてスコーンはもちろん、街のあちこちにあるおしゃれな独立系カフェで味わう絶品コーヒーやペイストリーも、イギリス生活の大きな楽しみです。
自分の舌で確かめる、新しいイギリスの味
「イギリス料理はまずい」という噂は、もはや過去の古いステレオタイプにすぎません。
伝統を守りながらも、世界中のセンスを取り入れて進化し続けるイギリスの食卓は、若者からシニア世代まで、すべての人の胃袋と心を温かく満たしてくれます。
年齢に関係なく、自分の世界を広げる留学や旅の途中で出会う「美味しい発見」は、あなたの毎日をきっと何倍も豊かなものにしてくれるはずです!
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